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非嫡出子の相続分差別と憲法24条

 投稿者:甲斐素直  投稿日:2008年11月16日(日)10時51分25秒
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  ○ 非嫡出子の相続分については、通常14条で議論しますから、学生諸君としては、余計な議論の仕方を覚えない方が無難なのですが、わざわざ聞かれたので、以下に簡単に説明します。24条からアプローチする、とは簡単に言えば立法裁量論の枠組みの中で論じるということです。
 すなわち、24条2項は「…相続…婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならない。」と定めています。すなわち、これは制度的保障規定であり、その場合に不可侵な制度の中核は「個人の尊厳」と「両性の本質的平等」という二つの概念であることが判ります。したがって、この中核に抵触しなければ、国会は相続制度や婚姻制度の制定にあたり、広い立法裁量権を有することになります。その場合には、裁判所は、その裁量権の行使が一見極めて明白に違憲でない限り、裁量権を尊重して合憲として取り扱わねばなりません。他方、中核に抵触している場合には、国会の裁量権はゼロに収束し、裁判所は違憲として扱うべきことになります。
 そこで、問題は、相続に関して非嫡出子を差別することが、二つの中核概念のいずれかに抵触するか、ということに帰着します。中間の論証を飛ばして、結論だけを述べれば、私は児童を嫡出子と非嫡出子に分類し、差別的取り扱いをすることは、児童の人としての尊厳を侵害するものであり、「個人の尊厳」という中核概念に抵触する、と考えています。その結果、立法裁量権を尊重する必要は全くなく、裁判所は民法900条4号を違憲とすべきだという結論を導きます。
 
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