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1年生の勉強方法について

 投稿者:甲斐素直  投稿日:2007年 8月15日(水)02時04分24秒
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   君の感覚、よくわかります。私も大学1年生のとき、憲・民・刑の教科書を一通り読み終わったところで、自信満々で短答式の過去問に挑み、そもそも何が聞かれているのかさっぱり判らず、呆然とした記憶を鮮明に持っています。大学における学問研究というものが、高校までの勉強と全く異質のものだ、ということを痛感した瞬間でした。私が、法曹になるための勉強法はどのようであるべきか、ということを考え始めた最初の瞬間でもあります。
 君の場合には短答式どころか、論文の方に挑戦したわけで、そのギャップ感というものは、おそらく私の場合よりも強烈だったのだろうと思います。というのも、短答式は知識を聞かれているだけですから、一通り教科書の中身が頭に入れば、理屈としては解答可能だからです。ところが、論文式の場合には知識があるだけでは足らず、総合的な理解を持ち、さらにその前提の下に、自分の意見(これは現実問題としては基本書の意見というのに等しいわけですが)というものを、理由を挙げて人を説得できる段階にまで到達しないと、基本的に歯が立たないものだからです。
 もう少し具体的に説明すると、こうなります。
 論文というものは、その名の通り、論点について自分の意見を述べた文を書くものです。そして、何が論点になるか、というと、学者の間で、意見が分かれている点です。ほかの学者が、同じ問題について何か違う理由から、違う結論を導いている点が論点なのです。だから、一つの教科書だけを読んでいても論文を書くことは不可能です。ほかの学者の意見が見えていないからです。そこで、私の4段階の本読み法では、第3段階に到達したところで、積極的に他の教科書を読むことを勧めているのはそれが理由です。さらに、判例はどういっているのか、それをどう評価すべきか、ということも頭に入っていなければなりません。このためには、教科書を読むのと平行した形で判例百選に親しむ必要があります。さらに、コンメンタールや演習書をよむと、そうした論点と考えられる点をどう取り扱ったらよいかが見えてきます。このあたりでようやく論文を書ける準備ができたということになります。
 だから、君の質問に対する解答としては、第一段階を突破したと思うなら、そろそろ第二段階に入ることを考えること、そして、気がせくなら、同時並行でコンメンタールや演習書も読むことです。コンメンタールとしては、一番初心者向けなのは、日本評論社の出している基本法コンメンタールシリーズでしょう。資金に余裕があるなら、受験科目のすべてについて、買いそろえておいてもよいと思います。しかし、何よりも大切なのは、判例百選シリーズを買いそろえることで、こちらの方は、直ちに実行すべきです。
 もう一つ、忠告しておきたいのが、法典は、全体を一体として考えるべきだ、ということです。はっきり言って、憲法を人権論と統治機構論に分けて講義するのは、全体を一度に講義することができないことからくる、講義する側の都合に過ぎないのです。
 法科大学院で、最初の年に、私は統治機構論と人権論を同時並行で講義したことがあります。その際、両者の呼応関係、すなわち、統治機構でこのような規定があるから、人権でこう論ずるのだ、あるいはその逆という関係、を意識して説明し、必要とあらば、統治機構論の講義の中で人権論にまで踏み込み、その逆もする、という講義方法を採ったところ、大変好評で、はじめて憲法が判ったという声までありました。残念なことに、講義する者による内容のばらつきを減らせという圧力から、この一人で人権・統治を同時並行に講義するという方式は1年で廃止になってしまいました。
 だから、少なくとも自分で読むときには、教科書全体を一気に読み、かつ全体として理解するように努力するべきです。そういう読み方をして、はじめて意味のわかる論点というものは、決して少なくないのです。
 芦部信喜の教科書の場合、もう一つ大きな問題があります。教科書として薄いのは大きな長所なのですが、同時に、それは教科書だけでは芦部信喜憲法というものを理解できないということを意味します。俗に芦部三部作といいますが、教科書に加え、岩波「憲法判例を読む」、有斐閣「演習憲法」も読まないと、最低限の芦部憲法の知識すら得られません。後者はずっと絶版でしたが、今ではまた手にはいるようになっていますから、絶対に買ってください。さらに、未完の大著「憲法学」(有斐閣)も読む必要があります。これはボリュームがあるのでたじろぐかもしれませんが、元々は、法学セミナーで学生向けの易しい憲法説明という意図からスタートしたものですから、決して取っつきにくい書ではありません。
 
 
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