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ハワイの憲法 その① 男女平等

 投稿者:甲斐素直  投稿日:2007年 8月22日(水)23時41分22秒
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   ハワイ憲法第1章第3節は、次のように規定しています。
    「権利の法の下の平等性は、州により、性別の故に否定され、もしくは奪われることはない。議会は、適切な立法により、本節の条項を促進する権限を有する。」
 この条項のどこが変わっているかというと、わが憲法でいえば14条の法の下の平等を、性差別に限定して規定していることです。
 例えばヒラリー・クリントンの活躍などに代表される米国における女性の活躍を知っている我々にはちょっと信じられない話ですが、実は米国における女性は憲法レベルでいうならば、黒人よりも遙かに虐げられている存在ということができます。黒人奴隷であった者に対し、選挙権の平等を保障した修正15条が成立したのは1870年のことです。それに対し、女性に対する選挙権の平等、要するに女性の参政権が認められたのは1920年の修正第19条成立を待たねばなりません。
 合衆国憲法に、わが憲法14条に相当する一般的な平等条項というものはありません。米国において、憲法に代わって実質的に法の下の平等を保障しているのは公民権法ですが、その第7条がさだめる「人種、肌の色、宗教、出身国」という列挙に、性別という文言が加わったのは、実に1964年のことです。この公民権法改正は、女性の雇用・昇進差別の撤廃に大いに貢献した、といわれます。
 こうした状況から、特に女性差別だけに問題を絞って憲法で平等を保障しようという考えが生まれます。そこで提案されたのが男女平等憲法修正条項(Equal Rights Amendment,=ERA)で、その条文は、上述ハワイ憲法の文言中、「州により」というところが、「連邦及びいかなる州によっても」となっている以外は同一のものです。
 これが最初に合衆国議会に、連邦女性党(National Wemens Party)によって提案されたのは1920年のことといいます。第19修正が成立したのと同じ年です。以来、この修正提案は、1923年から1970年までの、連邦議会のすべての会期で提案され続けます。しかし、1~2回の例外を除くと、ことごとく委員会段階で棚上げ(bottle up)され、本会議の議決対象にはなりませんでした。しかし、女性のめざましい社会進出に後押しされて、ついに1971年10月12日、下院を354対24(51の棄権)の圧倒的多数で通過し、ついで1972年3月22日に、上院を84対8(票の棄権)と、これまた圧倒的多数で通過したのです。
 ところで、合衆国憲法の改正のためには、上下両院で、それぞれ3分の2以上の多数による決議で発議されることに加えて、7年以内に4分の3の州の承認を得ることが必要です。この時点で米国は50州でしたから、38州の承認が必要だったのですが、期限である1982年時点で、35州までしか承認が伸びず、憲法改正は不成立に終わってしまいます。
 なぜ、この、我々日本人から見れば当然の憲法改正が、上下両院の圧倒的な賛成にも拘わらず挫折したかというと、実は女性の間ですら、この憲法改正に反対するものが少なくなかったからです。彼女たちは、女性は政府によって保護されるべきもので、男性と対等に競争を強いられるべきではない、と考えます。そうした女性達が、強力な男女平等条項に対する反対運動を展開したのです。彼女たちは、平等条項が成立すると、トイレや刑務所の男女区別が撤廃されるとか、女性の徴兵制が導入され、ひいては家族の崩壊につながるという調子で、社会不安を煽ったのです。
 また、わが国では妊娠中絶は女性の権利としてごく普通に認められていますが、米国ではこれも大変な論争の種でした。折から妊娠中絶を認める最高裁判所判決が出たことから、これが絡んで議論が激化してしまったのです。
 それに対し、ハワイ州では、1972年の上下両院の議決と同時に、州憲法改正が提案され、1978年に改正に必要な手続を終えていたのです。まさか、わずか3州の不足で連邦憲法の改正が挫折するとは予想されていなかったでしょうが、今となれば、これはハワイ州憲法の輝かしい勲章といえます。
 
 
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