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カーテナ剣の話

 投稿者:甲斐素直  投稿日:2009年 8月31日(月)23時59分41秒
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  鎌池和馬著『とある魔術の禁書目録』を読むのが好きな人なら、この作中のイギリスで、カーテナという剣が、現在、とんでもない活躍をしているのをご存じだろう。そんな刀の名前は聞いたこともなかったので、当然作者のでっち上げた話と思っていたら、息子に言わせると、それは実在し、本当に現在のエリザベス女王の戴冠式でも使われた、という。
 今回、イギリスに来たのを機会に、もしそれが存在するならば、是非お目にかかろうと考えた。それがあるならば、あるのは倫敦塔内の宝物塔に違いない、とねらいをつけ、わざわざ一日をつぶして出かけていった。
 結論から言うと、なるほどあった。もっとも、インデックスの挿絵に出てきたような、とんでもない形ではなく、ごく普通の幅広の直刀の先端が10cm程度、無くなっている、というものである。実を言うと、これは3本でワンセットの剣の1本で、後2本と柄の部分などはそっくりである。宝物塔が販売している公式ガイドブックの中に説明があったので、以下、それを引用する。
「俗界正義の剣、天界正義の剣、慈悲の剣
 尖った剣先を持つ正義の剣二振りと、またの名を『カータナ』といい、剣先の鈍い慈悲の剣は、戴冠式の御列では鞘には収められずに剣先を天に向けて捧持されたが、戴冠式自体では何ら公式な役割を果たしことはなかった。1189年のリチャード獅子王の戴冠式の御列で同じような剣が捧持されているが、これは本来、獅子王の王国の3領土であるイングランド、ノルマンディー、アンジューを表していたようだ。それが、後に正義と慈悲という王の美徳を体現するものと見なされた。これらの剣は他の収蔵品と異なり、鉄製のはを使った実用的な武器として制作されている。おそらく三振りとも1626年のチャールズ一世の戴冠式用に作られたものと考えられるが、その後、ロード大司教は、これらをウェストミンスターの宝器とともに保管するように命じられた。戴冠式用スプーンを除くと、これらの剣は、君主不在期間を生き延びた唯一の即位の宝器である。この三振りの剣が当時たどった運命は知られていないが、少なくとも1685年には国王の所有に戻り、それ以後、すべての戴冠式で捧持されてきた。刺繍で装われたベルベットの鞘は、1821年に剣が『錆に錆び付いて』イルのが見つかった後の修理の一部として制作された。」
 この文章、補足すると、清教徒革命によって、国王の首をはねた後、清教徒たちは組織的に王冠をはじめとする王家の宝物を、破壊したのです。その破壊の嵐を、なぜかこの剣は生き延びた、というわけです。書いてはありませんが、カータナが他の二振りと同じ格好をしているところから見て、たぶん、先端ははじめから無かったのではなく、この破壊の時期のどこかで折られたと考えるべきなのでしょう。
 さて、このように、剣がずっと戴冠式で捧持されていた、というのなら、どこでどう捧持していたのだろうと疑問になり、宝物塔で上映している戴冠式の映画を私は3回も繰り返してみてみました。残念ながら、はっきりとは確認できませんでした。エリザベス女王が戴冠式の一環として手に持ったのは、献納の宝剣と呼ばれる細身の剣です。戴冠式に列席している貴族の最前列の者が、剣を捧持しているように一瞬だけ写りますが、自信を持って、それがカーテナなどだと断言することはできません。少なくとも、エリザベス女王の周りを直接に取り囲んでいる人々が持っているわけではない、ということは断言できます。そういうわけで、このカーテナは1626年頃の作品です。
 同じ時期に作られた3本セットの剣なのに、この先のない剣だけを取り上げて、なぜ物語の主役としたのか? その辺の作家の頭の中の思考過程を知りたいものです。
 
 
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