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ハワイの学校は不況の直撃で週休3日

 投稿者:甲斐素直  投稿日:2010年 2月10日(水)06時20分16秒
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   先日、学生を連れて、ハワイにゼミ旅行に行きました。彼らに、まずは州の統治機構の実際を見せようと、金曜日の午前中に州議会に出かけたところ、議事堂の周りで明らかに小学生と思われる児童が父母と一緒に「リングルやめろ」とか「僕を馬鹿にする」と書いたプラカードを持ってうろうろしていました。リンダ・リングル(Linda Lingle)はハワイ州の知事ですから、知事に対する抗議デモだということは判るのですが、それ以上に詳しい内容のプラカードやビラはなかったので、なぜ児童がウィークディに学校に行かずにこんなところでデモをしているのかは理解できないままに通り過ぎました。
 州議会の次に、州最高裁に行って司法博物館を見学しようとしたのですが、正面のドアに鍵がかかっていて入れません。金曜日の午前中なのに、何故裁判所が休みなのだろうと、いぶかりながら引き上げざるを得ませんでした。
 後で、ハワイ大学のレビン教授にその説明を聞いて仰天しました。ハワイ州では財政危機に対する対策として、公務員に対して強制的に無給休暇(Furlough=ファーラウ)を取らせており、裁判所が金曜日に裁判所が休みだった。そして、それと同じように、小・中・高校教員も金曜日を強制的に無給休暇とされている結果、週休3日になっているので、児童がそれに対する抗議デモをしていたのだ、というのです。
 そこで、もう少し自分で調べてみました。
 現在、世界的に不況の嵐が吹き荒れています。そういうとき、誰もが一番先に節約するのが観光旅行でしょう。その結果、ハワイのように観光産業が州経済の重要な柱であるところでは、不況が州の財政を直撃し、大幅な歳入不足が発生するわけです。2009年第1四半期の歳入は、最終的に確定された数値によれば、対前年度比で9.7%減と大幅な落ち込みを示しました。2009年6月の時点で既に、この大幅な落ち込みが予測されたので、リンダ・リングル州知事は、収支を均衡させるという基本方針の下、向こう2年間にわたる緊急歳出削減に乗り出したのです。リングル知事によると、州の歳出の70%は人件費なので、これを削減しなければ州民から増税に対する理解は得られないとして、州の公務員に対し、警察など、生活の質に直結する部門をのぞき、すべて月に3日の割合での無給休暇を強制する、という方針を打ち出したのです。もし、それに応じられない場合には、合計1万人の解雇を行うという強硬姿勢を示したものですから、組合もこれを受諾し、ほとんどの部門で月に3週の割合で週休3日という状態が生まれたのです。この結果、州最高裁判所も、私が訪れた金曜日は休みになっていたわけです。
 ハワイでは、日本と違って小・中学校だけでなく、高校までが義務教育です。そして、その行政権は教育委員会が管轄しており、知事部局に属しているわけではありません。そのため、学校の授業に影響が出た時期は少々遅れました。しかし、無給休暇が飲めなければ、大幅解雇の断行という強硬姿勢を示す知事の前に、2009年10月から翌2010年5月までの冬学期において、合計17日間の無給休暇を取るという妥協案を、教職員組合も結局は受諾せざるを得ませんでした。これで教育公務員の給料は約7%のカットになるそうです。これは単純に計算すると隔週に金曜日が休みになるという数字ですが、実際には冬休み等の関係から、休暇期間をのぞくため、毎週、週休3日という事態になってしまったわけです。
 米国には、最低年間授業日数を定めた連邦法は無く、授業日数を何日にするかは州の判断の問題です。現実問題として米国の大半の州の公立校では180日以上の授業日数が確保されています。年間授業日数が180日を下回る州は11州のみで、従来の最下位はノースダコタ州の173日でした。しかし、ハワイ州はこうして週休3日になってしまったことで、結果として年間163日とダントツの最下位となってしまいました。冒頭に紹介した小学児童の持っていたプラカードの「僕を馬鹿にする」とは、授業が少ないものだから知識の足りない子になるという意味であったわけです。
 何とか来年度には学校を週休2日に戻したいとして、関係各方面で議論が戦わされましたが、組合と教育委員会の愛でで話し合いがまとまっても知事が反対するなどして、かなり迷走しています。それでも、2月2日のホノルルの新聞記事によると、ハリケーン被害救済基金(Hurricane fund)から189百万ドルを移して、教職員の無給休暇を解消するための人件費に当てるという特別法が議会で準備されているそうです。小学校等の無給休暇を一日解消するには5万ドル余の資金が必要だそうですから、この法案が成立すれば、来年1年間については週休3日という事態は解消できます。しかし、これは日本でいえば埋蔵金の活用というのに等しく、再来年以降の長期的な対策は別に必要です。
 ハワイ州の歳入の落ち込みは2010年度はさらに厳しくなることが予想されています。レビン先生の話だと、ハワイ大学の教授も平均7%の賃金カットを申し渡されたそうです。大学教授の場合には契約上、俸給額が明確に保障されているので、数年先に財政が好転した折には、このカットされた賃金分は戻ってくるそうです。こういう本当の意味での歳出削減につながらない縮減策までも講じて行かざるを得ないところに、現在のハワイ財政の深刻さが端的に表れています。
 
 
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